ユーザビリティ 準備編 第3回
さあ、「ユーザビリティテスト」をはじめよう!
2007.04.11カテゴリ:ユーザビリティ
ユーザーに満足して使っていただけるサイトへの第一歩。
さて、どこから手をつける?
何はともあれ現状を把握
「ユーザビリティが大切なのはよくわかった」「うちもユーザーに満足してもらえるサイトにしたい」という段階まできた方が、次に気になるのは、「じゃあ、具体的に何から始めればいいの?」ということですよね。具体的な改善ポイント・施策は、当然のことながら、各々のサイトが抱える問題によって変わってきます。しかし、すべてのサイトに共通して言えることは、「まずは現状を把握すべきだ」ということです。
サイトの現状や問題点を洗い出すリサーチ手法には複数あり(ログ解析、ヒューリスティック評価、ほか)、そのうちのどれを選ぶ/組み合わせるかで、Web 担当者の皆さんは頭を悩ませているわけですが、多くのサイトにとって、ユーザビリティテストは「最も優先してやるべきこと」の一つと考えてよいでしょう。その理由は、以下でご説明します。
ユーザビリティテストって?
ユーザビリティテストとは、ユーザーに、対象となる Web サイトを、あらかじめ設定した課題に沿って使ってもらい、その様子を『観察』することで問題点を発見する調査のことを言います。具体的な内容は、次回以降にゆずりますが、ここでは、ユーザビリティテストが「観察」を軸とした調査であるという点をぜひ押さえておいてください。
ユーザビリティテストでは、ユーザーの様子、すなわち、行動、発言、心理状態(表情、態度の変化、興味の推移など)を観察しながら、主に以下のようなことを調査することになります。
ユーザビリティテストの主な測定ポイント
- ユーザーが目的を効率よく達成することができたか
- 途中でユーザーの目的達成を妨げるものはなかったか
- → 最終的に、サイトを満足して使っていただけたか
なぜユーザビリティテスト?
上記の測定ポイントを言い換えると、ユーザビリティテストは「ユーザーがサイトを使って満足できたかを見る」、さらには「ユーザーの満足を妨げる要因を直接的に探る調査」だと言えるかもしれません。それは、「観察=ユーザーが目的を達成しようとしている様子を直に見る」ことで可能になっているのであり、ユーザビリティテストが他の調査方法と一線を画する所以にもなっています。
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「満足」は、ユーザーに企業のファンになっていただくための前提条件です。そこを、ユーザビリティテストを行うことできっちり押さえていくことが、これから先、成功する(成功し続ける)Web サイト・企業にとって、必要不可欠なプロセスになってくると思います。(ただし、例えば、ログ解析は、「現実のユーザーに対する全数調査で、統計的な行動のパターンなどを把握できる」など、それぞれの手法が他にはない特長を持っているため、各手法を組み合わせた形でのリサーチを行うべきでしょう)
最初の一歩を踏み出そう
ユーザビリティテストの実施は、ユーザビリティ改善のための最初の一歩に過ぎません。最終ゴールは、調査で得られた結果を分析して、それにもとづいて実際にサイトを改善した先にあります。しかしながら、遠回りにも思えるこの一歩なくしては、本当に良いサイトには成長していきませんので、皆さんにも、ぜひユーザビリティテストの実施を検討していただければと思います。
さて、今回で準備編は終了です。次回<実践編>からは、ユーザビリティテストの具体的な進め方や、より効果的な結果を得るために気をつけるポイントについて、IA lab が持つノウハウを交えながら、お伝えしていきたいと思います。
<実践編 第1回へ続く>
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